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オルニトミムス上科
オルニトミムス上科は獣脚類コエルロサウルス類オルニトミムス形類(Ornithomimiformes)オルニトミムス上科の分類群。 俗に言うダチョウ恐竜である。 数ある恐竜の中でも最も早く走ることができ最高時速は60-80kmに達した。
オルトミムス上科の恐竜は白亜紀のローラシア大陸に生息していた。
特長
オルニトミムス上科の形態的特徴として小さくスレンダーな頭骨・大きな眼・長い首、腕・固まった尾・強靭な後肢等が挙げられる。 腕と尾を除けば走鳥類と非常に似た体つきをしており実際に生態にも共通点があったと推測される。 比較的原始的な種(Pelecanimimus や Harpymimus など)では歯があったがより進化的なオルニトミムス科の種等では歯は無くなりくちばし状の口器になっている。 オルニトミムス科は他のコエルロサウルス類のように羽毛を持っていたと考えられている。
食性
実はオルニトミムス上科の食性についてははっきりとした結論は出ていない。
そのくちばし状の口器から雑食性であるとも考えらるがガリミムスやオルニトミムスでは頭部化石の研究からくちばしに小さなスリットを多数持つことがわかっておりフラミンゴのような濾過食ではなかったかという意見もある。 ただ水中の藍藻類や小動物だけではオルニトミムス上科の恐竜にとって十分な量を確保できなかったのではないかという反論もある(小型恐竜といってもそれらの水鳥よりははるかに大きかった)。 また胃石en:Gastrolithの化石や頭の真横に着いた眼、前述の細く長く物をフックのように引き寄せるのに使われたと思われる手などから植物食、または植物食の傾向が強い雑食だったというのが現在の主流である。
生態
大きな脳を持ち視覚もよかったとされる。 1997年には14体の Sinornithomimus の化石がまとまって発見された。 そのうちの11体は幼体と亜成体であり Sinornithomimus は群れで行動していたと考えられている。

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分類
近年の研究ではオルニトミムス上科の中で Pelecanimimus、Shenzhousaurus、Deinocheiridae 科、Garudimimidae 科、Harpymimidae科を比較的原始的なグループとしオルニトミムス科を適応の進んだグループとして分けている。 さらにオルニトミムス科のなかでも北米型としてストルティオミムス、オルニトミムス、Dromiceiomimus、アジア型としてガリミムス、Anserimimus、Archaeornithomimus、Sinornithomimus としている。
オルニトミムス上科 Ornithomimosauria
Pelecanimimus (スペイン)
Shenzhousaurus (中国)
Deinocheiridae 科
Deinocheirus (モンゴル)
Garudimimidae 科
Garudimimus (モンゴル)
Harpymimidae 科
Harpymimus (モンゴル)
オルニトミムス科
Anserimimus (モンゴル)
Archaeornithomimus (中国)
Dromiceiomimus (カナダ)
ガリミムス (モンゴル)
オルニトミムス (アメリカ・カナダ)
Sinornithomimus (モンゴル)
ストルティオミムス (アメリカ・カナダ)

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ガリミムス
ガリミムス(Gallimimums)は獣脚類恐竜の一種。 学名の意味は「ニワトリモドキ」でダチョウ恐竜として知られるオルニトミムス科のメンバーであり、全長は4-6 m、推定体重440 kgとこのグループでは最大の種である。 白亜紀後期(7400万年前)のモンゴルに生息していた。
発見
化石は1970年代初頭ゴビ砂漠で発見され、1972年Rinchen Barsbold, Halszka Osmolska, およびEwa Roniewiczによって命名された。
特徴
骨格から、現代のダチョウのように時速70 km程度の速度で走ることができたと推測され、最速の恐竜の一つであったと考えられている。 細長い首と足、尻尾を持っていた。 前肢はやや短く、特に手がオルニトミムス類としては相対的に短く前肢全体の1/4しかなかった。 頭部は小さく大きな目をもち、吻部は嘴状になっていた。 長い尾はバランスをとるのに役立った。 目は顔の横に位置しており立体視はできなかった。 現代の鳥類のように中空の骨を持っていた。 ほぼ完全な頭骨が見つかっていて、脳函からは体に対して相対的に大きな脳を持っていたことが判明しており、最も知能の高い恐竜の一つであったようだ。
明らかに獣脚類であるが歯が無いなどその食性にはいまだに謎が多い。 しかしながら、2001年Peter J. Makovickyによってゴビ砂漠で発見された化石から、くちばしに櫛に似たフィルターを持っていた可能性が示唆され、これを使って現生のフラミンゴのように濾過食を行っていたのではないかという推測が提示された。 この発見は、ガリミムスに歯がないことへのこれまでの説明に疑問を投げかけるともに、今までの恐竜の中で初めての“採餌構造の発見”ともなった。 ガリミムスは雑食性であり、小型の甲殻類、植物片、昆虫などを沼や小川で濾しとっていたのだろう。
映画ジュラシックパークの中ではT-rexから群れで逃げる姿が描かれている。 足跡など具体的な証拠はないが食性や体形から考えられるレイヨウや鳥類との類似点からすると群れで生活していた可能性は高い。 また脚力からすればすばやく逃げることが害敵から身を守る一番の手段だったのは確実なようだ。
サンチュウリュウ
1981年群馬県中里村(現神流町)でオルニトミムス類と見られる胸胴椎(腰のあたりの背骨)の化石が発見された。 山中地溝帯と呼ばれる埼玉県から長野県にかけて存在する白亜紀の地層から発見されたため山中竜(サンチュウリュウ)と通称がつけられた。 アジア産のオルニトミムス類が他に知れていなかったためガリミムスであるとされていた。 しかし、化石は断片的であり種の断片には不十分で、また化石が発見された地層は白亜紀前期(1億4600万年-9700万年前)のものであり後期に生息していたガリミムスではありえそうもない。 そのため今日では不明のオルニトミムス類とされている。 おそらくはその後発見されたガルディミムスやハルピミムスと関連するより原始的なオルニトミモサウルス類のものであろう。

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オルニトミムス
オルニトミムス (Ornithomimus) は、白亜紀後期マーストリヒト期に、北米大陸に生息していた、オルニトミムス属に属する獣脚類恐竜の総称である。 学名の意味は「鳥の模倣者」(中国でも『似鳥龍(スーニャオロン)』と呼ばれる)。 ダチョウ恐竜とも呼ばれるオルニトミムス科を代表する恐竜で、三本指の脚、細長い腕、長い首、鳥のような頭で特徴付けられる。 ダチョウに似た姿で同様に足が速かったとされる。
特徴
体長は約3.5mで、化石としては最も早く発見されたオルニトミムス類であるが、生息年代は最後期の種である。 グループの名称の元になった属であるが、化石資料はストルティオミムス(Struthiomimus=ダチョウの模倣者、の意) の方が豊富であり、オルニトミムス類として知られる特徴はこちらによるところが大きい。
肉食恐竜からなる獣脚類でありながら口には歯がなく、くちばし状であった。 そのため食性が不明であったが、長年はおそらく小動物を丸呑みにしていたのだろうと考えられてきた。 しかし、1995年にカナダで発見された非常に保存状態いのよいO. エドモントニクス (O.edmontonicus) の頭部化石の研究からくちばしにアヒルのくちばしに似たスリットを多数持つことがわかった。 この特徴から現生の水鳥のように植物を漉き取って食べる植物食の恐竜であった可能性が高い。
オルニトミムスに限らずオルニトミムス類の脳は大きいが、これは高度な運動性を制御するためであるとする説もあり、知能が高かったかどうかは疑問である。 (これは一般的に他の恐竜より高い知能を持っていたといわれるドロマエオサウルス類にも当てはまることである)勿論これは高度な社会性など人間に分かりやすい知能を持つ高等哺乳類(例えばチンパンジー、イルカなど)と比べた考え方であり、他の恐竜と比べると知能は明らかに高かったとされる。
他のオルニトミムス科との相違点としては非常に細く、まっすぐな手と足の指、およびほぼ同じ長さの中手骨と指骨がある。 特にナマケモノに似た手は特徴的で、かつて古生物学者オズボーンはこれは食事の際に枝を引っ掛けるためではないかと指摘していた。

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ストルティオミムス
ストルティオミムス(Struthiomimus) は白亜紀後期の北米に生息したオルニトミムス科ストルティオミムス属の恐竜の総称である。 学名の意味はダチョウの模範者。
体長は約4.3m,高さは1.3m。 体重は150kgほどであった。 植物食もしくは雑食であったと思われる。 カナダの州立恐竜公園ではもっともよく発掘される小型恐竜の一つである。
オルニトミムス科はコエルロサウルス類に含まれ羽毛を持っていたと考えられている。 白亜紀の最後まで生きた恐竜の一つ。
特徴
Illustration of Struthiomimus altusストルティオミムスはオルニトミムス科としては典型的な体つきをしている。 すなわち小型でスレンダーな頭部、大きな眼とくちばし状の口である。 尾の骨は固まっておりディノニクスや一部の小型恐竜のようにバランスをとるのに使っていたと思われる。 特徴的な細長い腕を持つがナマケモノに似たつくりをしており頭上の枝を手繰りよせる役割をしていたのではと思われている。 事実第二指と第三指はほぼ同じ長さでこの二本を独立して動かすことはできず何かを掴むということには適さなかった。
食性
実はストルティオミムス及びオルニトミムス科の食性についてははっきりとした結論は出ていない。
そのくちばし状の口器から雑食性であるとも考えらるがガリミムスやオルニトミムスでは頭部化石の研究からくちばしに小さなスリットを多数持つことがわかっておりフラミンゴのような濾過食ではなかったかという意見もある。 ただ水中の藍藻類や小動物だけではストルティオミムスにとって十分な量を確保できなかったのではないかという反論もある(小型恐竜といってもそれらの水鳥よりははるかに大きかった)。 また胃石en:Gastrolithの化石や頭の真横に着いた眼、前述の細く長く物をフックのように引き寄せるのに使われたと思われる手などから植物食、または植物食の傾向が強い雑食だったというのが現在の主流である。
スピード
オルニトミムス科の特徴である長く力強い後ろ脚をもっており最高速度は時速60〜80kmに達した。
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